【このアトピーの辛さを、、】
このアトピーという不可思議な
状態の辛さを
いったい何に例えたら良いのでしょう。
今回は、読んでいるだけで痒くなっちゃうかもしれません……読み飛ばしていただいても、結構です………
「辛い」「痒い」の渦中にいる方は
あるあるとして読んでいただいたり、
全く未知の方は、そんな地獄があるのかい…ともし身近にアトピーの方がいたら、おもんぱかって差し上げてください………
前回も少し書きましたが、18歳のとき薬を塗っても効かなくなり、おもに上半身、ステロイドを使っていた部分は、ことごとく炎症を起こしました。
赤黒く、象のようなゴワゴワとした肌質になり、10代後半の女という性ををもった自分には直視したくもない、あまりにも過酷な現実でした。
当時、「目前の未来19歳は旬…」と言う歌を聴きながら、自分の目の前に広がっている未来が、あまりにその世界と違いすぎるという現実にボロクソに打ちのめされ、頭をよぎるのは絶望の二文字しかありませんでした。(その歌は今も昔も大好きです)
見た目の炎症以上に、体を襲う不快感が未知のもの過ぎてとんでもない次元のものばかりなのです。
これを制したらもう最強のスーパーサイヤ人にだってなれるのでは???……と本気で思いました。
具体的には、
・痒みが微弱電流みたいに常に襲ってくる(蚊に刺される10倍くらいの痒みが全身に襲う。もはや蚊に刺されたくらいではちっとも痒くない)
・肌も痒いし手の届かない肌の内側も虫が這ってるみたいにムズムズかゆい
※ご存知ない方のためにご説明すると、アトピーの「痒い」はたとえば蚊に刺された時の「痒い」とはまったく異質なものなのです。
アトピーの痒みを抱える人は、蚊に刺されても腫れない方もいらっしゃるかもしれません。
蚊の放出する異物が人の体内に入り、それを異物だと判断した免疫が凄い勢いで患部を炎症させ、異物の排出修復を図る、という仕組みなのですが、免疫が上手く働いていない、たとえば発熱しない体質の人は、ウィルスや異物が体内に入ってきても気が付きにくい。
・痒いだけでなく見えない小さな傷でちくちく針で刺されているみたいに常にピリピリ痛い
・上記の状態がとめどなく続くので
入眠できない。
生殺しの気分を永遠と味わう
・夏なのに毛糸の靴下を重ねて履いてもめちゃくちゃ寒い
・湯船に浸かって6時間経っても汗が全く出ない
・痒みが少し落ち着いていても、食事をすると直後に痒くなり炎症が起きて、ふたたび痒い痛いの不快感が始まる
・いつも皮膚がこわばっている。
体を少し動かすだけで痒みが爆発したり皮膚が切れたりするので、柔軟に動けない
・服の着脱時もたいへん憂鬱。
服が肌に擦れる刺激が、痛み痒みを誘発して、その刺激はしばらく収まらない
・服を脱ぐときに体を大きく動かすと薄い皮膚が切れるので、小さく動かざるを得ない
・頻繁な痒みに自分の意識が集合してしまうので、日常生活にしっかり集中できない
・痒み、痛み、ピクピクとした神経の違和感、これからの人生への不安などで寝られない。慢性的な寝不足が続き免疫力や体力を奪われ、その結果、新陳代謝も鈍り、肌の修復が遅延する
・寝ているときも無意識に掻いてしまうので、朝は掻きこわした傷の痛みと肌の傷を悪化させてしまった罪悪感とともに、血だらけの布団の上で目が覚める
・あまりにも痒いので爪を立てて掻いてしまい、掻きこわして傷を自ら悪化させ、止まぬ痒みで負のループにはまってしまう
(「痒い」の信号に負けて爪を立てたら最後、掻けば掻くほど倍々で痒みが増していき、掻いたらすっきりする、という事はまずありません)
・不思議なことに掻いている最中は、痛覚が麻痺してしまうのか、血が出てきても掻いてしまう
蛇足ですが最近流行っているアニメのワンシーンに、鬼の女医さんが自らの手首に爪をたてて血を流し必殺技を繰り出すシーンがありました。
あれを見てアトピーの痒みに支配されていた時の自分が肌を搔く強さを思い出しました。みなさんやっぱり爪はこまめに切りましょう……
ああ いっそのこと
人ではない別の生き物に生まれていれば
こんなに苦しい思いなどせずに
済んだのかもしれない。
少量とはいえステロイドを使い続けて、
結果として呪いを体にずっと擦り込んでいたようです。
それが呪いであるとも教えられずに。
冷静に考えようとしても、今の自分に必要な正解が何なのか全く分からず、何を信じてどちらへ向かえば良いのかも、全く分からずに。
目先の状態に囚われた時期が、しばらく続きました。
これからどこへ向かえばいいのか…
つづく